Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」。雑誌、漫画、ビジネス書、写真集など、様々なジャンルの対象作品が、月額980円で何冊でも読めるサブスクリプションです。
この記事では、過去に対象作品になったことのある小説の中で、実際に読んで面白かったものをピックアップしています。何を読もうか迷った時には、ぜひ参考にしてみてください。
読み放題の対象作品は、月初に一定数が入れ替わります。
記事内で紹介している作品に対象外のものがあるかもしれません。その場合は月を改めて確認してみてください。
タイトルの横に★が付いている作品は、2024年11月1日時点で読み放題対象です。
おすすめ作品23選
ミステリー
六人の嘘つきな大学生 ★
- 六人の嘘つきな大学生
- 著者:浅倉秋成 / 出版社:KADOKAWA
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
2024年11月に映画化される話題のミステリー小説です。
舞台が現代で、かつ新卒採用の選考に関する内容なので、物語にも入り込みやすいと思います。
個人的には、青春小説として楽しむ読み方もおすすめです。
刺青殺人事件 ★
- 刺青殺人事件 新装版
- 著者:高木彬光 / 出版社:光文社
野村絹枝の背中に蠢(うごめ)く大蛇の刺青。艶美(えんび)な姿に魅了された元軍医・松下研三は、誘われるままに彼女の家に赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。それは胴体のない密室殺人だった――。
謎が謎を呼ぶ事件を解決するため、怜悧にして華麗なる名探偵・神津恭介(かみづきょうすけ)が立ち上がる! 江戸川乱歩が絶賛したデビュー作であると同時に、神津恭介の初登場作。
「日本三大名探偵」と称される神津恭介の初登場作品です。
設定を見るだけでとんでもない天才だということがわかる神津ですが、名探偵にありがちな話の通じない人種ではなく、むしろ人当たりは良い方。
癖のある感じではないので、作品も読みやすいと思います。
密室を作りづらい構造の日本家屋で、唯一鍵をかけられる浴室での密室トリックを展開したところが特徴的です。
狩人の悪夢
- 狩人の悪夢
- 著者:有栖川有栖 / 出版社:KADOKAWA
人気ホラー小説家・白布施に誘われ、ミステリ作家の有栖川有栖は、京都・亀岡にある彼の家、「夢守荘」を訪問することに。そこには、「眠ると必ず悪夢を見る部屋」があるという。
しかしアリスがその部屋に泊まった翌日、白布施のアシスタントが住んでいた「獏ハウス」と呼ばれる家で、右手首のない女性の死体が発見されて……。
「作家アリスシリーズ」の長編作品です。
犯罪学者の火村英生が探偵役、小説家の有栖川有栖がワトスン役という初期設定さえのみ込めていれば、シリーズ初見の方でも問題ないと思います。
この作品は、理詰めの推理が鮮やかです。
私は正直頭が少し混乱したので、メモを取りながらの読書がおすすめです。
配達あかずきん 成風堂書店事件メモ ★
- 配達あかずきん 成風堂書店事件メモ
- 著者:大崎梢 / 出版社:東京創元社
しっかり者の杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵が働くのは、駅ビルの六階にあるごくごく普通の書店・成風堂。近所に住む老人から渡された「いいよさんわん」という謎の探求書リストや、コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪した母を捜しに来た女性に、配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真……。杏子と多絵のコンビが、成風堂を舞台にさまざまな謎に取り組んでいく。
元書店員ならではの鋭くもあたたかい目線で描かれた、初の本格書店ミステリ。シリーズ第1弾。
「成風堂書店事件メモシリーズ」の1作目です。
表題作をはじめとする5編の短編集になります。
人の生死に関わるものからほっこりするものまで、事件の種類は様々。
書店が舞台なので、本好きの方には特におすすめです。
ななつのこ ★
- ななつのこ
- 著者:加納朋子 / 出版社:東京創元社
短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、ファンレターを書こうと思い立つ。身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、事件の“解決編”ともいうべき返事が舞い込んだ! こうして始まった駒子と作家のやりとりが鮮やかにミステリを描き出す、フレッシュな連作長編。
「駒子シリーズ」の1作目です。
主人公が出会った『ななつのこ』という本の内容に合わせて物語が進みます。
主人公が事件を持ち込んで解決してもらうという構図、そして全体に漂う温かみのある雰囲気は、『空飛ぶ馬』に始まる「円紫さんと私シリーズ」に通じるところがあります。
日常の謎ジャンルが好きな方はぜひ。
悪魔の手毬唄
- 悪魔の手毬唄
- 著者:横溝正史 / 出版社:KADOKAWA
岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。たまたまここを訪れた金田一耕助は、村に昔から伝わる手毬唄の歌詞どおりに、死体が異様な構図をとらされた殺人事件に遭遇した。現場に残された不思議な暗号はいったい何を表しているのか? 事件の真相を探るうちに、二十年前に迷宮入りになった事件が妖しく浮かび上がってくるが……。
戦慄のメロディが予告する連続異常殺人に金田一耕助が挑戦する本格推理の白眉!
「金田一耕助シリーズ」の長編作品です。
KADOKAWAの金田一耕助ファイルでは12作目となっています。
手毬唄になぞらえるという、いわゆる見立て殺人の事件が起こります。
見立ての他にも様々な工夫があるので、読んでいて飽きません。
舞台が山間部の孤立集落ということで、おどろおどろしい雰囲気も最高です。
登場人物が多いので、メモを取ることをおすすめします。
ルビンの壺が割れた
- ルビンの壺が割れた
- 著者:宿野かほる / 出版社:新潮社
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」
――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。
先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!
文章はメッセージのやり取りだけ、ページ数も156と短いので、
読み終えるのに2時間もかかりません。
感想やレビューをチェックしてから本を読むタイプの方も、これはあらすじを読むだけに留めておいた方が良いと思います。
護られなかった者たちへ ★
- 護られなかった者たちへ
- 著者:中山七里 / 出版社:宝島社
仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。
三雲は公私ともに人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見からさかのぼること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か。
なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか? 誰が被害者で、誰が加害者なのか。本当に“護られるべき者”とは誰なのか
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……万般の思いが交錯した先に導き出される切なすぎる真実――。
「宮城県警シリーズ」の1作目です。2021年に映画化されました。
生活保護制度を題材とした社会派ミステリーです。
また、東日本大震災が起きた後の世界でもあります。
色々と考えさせられる作品で、読み応えは抜群です。
ホラー
天使の囀り
- 天使の囀り
- 著者:貴志祐介 / 出版社:KADOKAWA
北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。
アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。
発想も、そして読ませる力もすごいと思える作品です。
ホラージャンルに詳しくないのでわからないのですが、ホラーというよりサスペンス小説の要素が強いように感じました。
なので、幽霊系ホラーが苦手な私でも読めました。
ちなみに虫が出てくるので、苦手な方は注意してください。
夜市
- 夜市
- 著者:恒川光太郎 / 出版社:KADOKAWA
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング! 魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
上のあらすじは、表題作『夜市』の内容です。
この本にはもう1編、『風の古道』という話も収録されています。
どちらの話も現世ではない世界が広がっていくのですが、その幻想的な世界観が魅力です。
少しホラー要素のあるファンタジー小説といった雰囲気なので、ホラーという理由で忌避するのは非常にもったいないと思います。
時代小説
鬼平犯科帳(一)
- 鬼平犯科帳(一)
- 著者:池波正太郎 / 出版社:文藝春秋
斬り捨て御免の権限を持つ、江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵。その豪腕ぶりは、盗賊たちに“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として苦労をし、義理も人情も心得ている。昔は大いに遊び、放蕩無頼の限りを尽くしたことも。
テレビに舞台に、人気絶大の鬼平シリーズ第一巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」を収録。
シリーズ中には長編もありますが、初期は短編が多くなっています。
火付盗賊改方の長官という立場でありながら、自ら市井に繰り出しては情報収集などを怠らない平蔵。
捕り物の場面でも前に出ることが多いです。
そういう仕事への姿勢もさることながら、何より魅力的なのは人情を解するところでしょう。
勧善懲悪という言葉に囚われない精神は、見習いたいと思います。
時代小説に苦手意識のある方も、短編でテンポ良く読めるので、ぜひ1巻だけでも手に取ってみてほしいです。
人形佐七捕物帳傑作選
- 人形佐七捕物帳傑作選
- 著者:横溝正史 / 出版社:KADOKAWA
神田・お玉が池に住む岡っ引きの人形佐七が江戸でおきたあらゆる事件を解き明かす! 横溝正史の傑作捕物帳全作品から厳選。冴えた謎解き、泣ける人情話……初めての読者にも読みやすい7編を集めました。
横溝正史といえば上でも紹介した「金田一耕助シリーズ」が有名ですが、この時代小説シリーズもおすすめです。
京人形のような美男子の佐七が、子分、時には女房とも協力しながら事件を解決していきます。
著者がなんといっても横溝正史なので、ミステリー色が強いのもこのシリーズの推しどころです。
傑作選ではレギュラーキャラクターたちの登場回などがまとめられているので、シリーズ初読の方にもおすすめです。
古道具屋 皆塵堂
- 古道具屋 皆塵堂
- 著者:輪渡颯介 / 出版社:講談社
跡取りとされた弟の急死で、浅草の道具屋に呼び戻された太一郎。道具屋をやり直すには年を食いすぎている太一郎は、深川の古道具屋皆塵堂で修行することに。太一郎には、幽霊が見えるという人に言えない秘密があった。だが皆塵堂にあるのは、首吊りや夜逃げのあった家から持ち込んだ、いわくつきの品ばかり。見たくもない幽霊と向き合う日々が始まった。そして向島の猫屋敷で、太一郎は封印していた幼い日の記憶をよみがえらせる。
「古道具屋 皆塵堂シリーズ」の1作目です。
2024年4月時点で12巻まで刊行されている人気シリーズですが、この巻だけでも話はすっきりとまとまっています。
連作短編集で、幽霊の見える太一郎の成長ぶりを追いかける物語です。
ポップな表紙に似合わず、怪異の描写は中々恐ろしいですが、その分読み応えもありました。
その他小説
何者
- 何者
- 著者:朝井リョウ / 出版社:新潮社
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
5人の就職活動をめぐる物語です。
合間でそれぞれのSNS投稿文が挟まれるのも面白いです。
あらすじを読んで察せるかもしれませんが、爽やかで明るい青春小説という雰囲気はそこまでありません。
何者かになりたいという焦りや不安を抱えた就活生たちの本音や自意識が、いつの間にか読者の内面もえぐってくる、そんな作品です。
色々と共感できるし考えさせられました。
四畳半神話大系 ★
- 四畳半神話大系
- 著者:森見登美彦 / 出版社:KADOKAWA
私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!
さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。
仰々しい語り口で世間に喧嘩を売る姿勢を見せながら、うぶな男子らしい憧憬を隠し切れない…。
森見作品で真っ先にイメージするような男子学生が主人公です。
そんな主人公の一人称小説で、なんといっても文章のテンポが魅力です。
最初から最後まで同じ調子で続いていくのが凄まじい。
パラレルワールドの世界観で繰り広げられる登場人物たちのドタバタ劇は、一言で言えばすこぶる楽しいです。
元気のない方にもおすすめできる作品です。
少女地獄
- 少女地獄
- 著者:夢野久作 / 出版社:KADOKAWA
怪奇小説の帝王が描き出す、美しい少女の不思議な心理。
可憐な美少女・姫草ユリ子は、接触するすべての人間に好意を抱かせる天才。その秘密、常識離れした虚言癖にあった。自分を偽り、虚構の世界を生き続けた少女が、最後に選んだ道とは……。
『ドグラ・マグラ』の作者である夢野久作の短編集です。
短編なので、そこまで気負わずに読めると思います。
狂気の入り混じる、ある種幻想的なこの暗い世界観が私は好きです。
あらすじで紹介されているのは、『何んでも無い』という話になります。
姫草ユリ子がまた印象的で、この名前はすっかり忘れられなくなりました。
ちなみに「かまわぬ」の限定カバーも素敵なので、紙での購入もおすすめです。
おいしい旅 初めて編
- おいしい旅 初めて編
- 著者:アミの会(7名) / 出版社:KADOKAWA
仕事に行き詰まり、勢いで列車に乗り終点まで……旅先では驚きの出会いが待っていた(「下田にいるか」)。福引きで旅行券を引き当て、台湾へひとり旅。現地で会った駐在員はどこか訳アリのようだが(「情熱のパイナップルケーキ」)。
訪れたことのない場所、見たことのない景色、その土地ならではの絶品グルメ。さまざまな「初めて」の旅を描いた7編を収録。読めば必ず出かけたくなる、文庫オリジナルアンソロジー。
実力派女性作家集団「アミの会」の7名による短篇集です。
収録作品は以下の通り。
「下田にいるか」坂木司
「情熱のパイナップルケーキ」松尾由美
「遠くの縁側」近藤史恵
「糸島の塩」松村比呂美
「もう一度花の下で」篠田真由美
「地の果ては、隣」永嶋恵美
「あなたと鯛茶漬けを」図子慧
テーマは初めての旅。
旅行やグルメといったキーワードに惹かれる方におすすめです。
『想い出編』も対象作品になっていたことがあるので要チェックです。
さいごの毛布
- さいごの毛布
- 著者:近藤史恵 / 出版社:KADOKAWA
年老いた犬を飼い主の代わりに看取る老犬ホームに勤めることになった智美。なにやら事情がありそうなオーナーと同僚、ホームの存続を脅かす事件の数々――。愛犬の終の棲家の平穏を守ることはできるのか?
老犬ホームで働く主人公の成長物語です。
いわゆるお仕事小説に分類しても良いかもしれません。
舞台設定の関係上、どうしても悲しい場面は出てきます。私は泣きました。
更に登場人物たちも色々と事情を抱えているので明るいばかりの話にはどうしてもならないわけですが、のんびり過ごす犬たちの描写はかわいくてほっこりできます。
校閲ガール
- 校閲ガール
- 著者:宮木あや子 / 出版社:KADOKAWA
ファッション誌編集を目指す河野悦子(こうのえつこ)が配属されたのは校閲部。担当する原稿や周囲ではたびたび、ちょっとした事件が巻き起こり…。
読んでスッキリ、元気になる! 最強のワーキングガールズエンタメ☆
ドラマ化もされたお仕事小説です。
校閲という、一般的にはあまり注目されない仕事の様子を色々と知れるのが面白いところでした。
なお、ドラマを見た方はわかると思いますが、主人公のキャラクターが比較的尖っています。
最後まで読めるかどうかは、彼女を受け入れられるかどうかにかかっているかもしれません。
ちどり亭にようこそ ~京都の小さなお弁当屋さん~ ★
- ちどり亭にようこそ ~京都の小さなお弁当屋さん~
- 著者:十三湊 / 出版社:KADOKAWA
ここは、昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いに、こぢんまりと建っている仕出し&弁当屋「ちどり亭」。店主の花柚さんは二十代半ばの美しい人で、なぜか毎週お見合いをしている。いつも残念な結果に終わるらしいんだけど、どうしてなんだ? 「結婚したいんですか?」と尋ねると「お見合いがライフワークなの」と答える彼女。うーん、お茶目な人だ。
そんな花柚さんが作る最高に美味しいお弁当は、とても人気で、花柚さんもバイトのぼくも毎日、朝から仕出しや弁当販売で大忙し。あ、いらっしゃいませ! どのお弁当にしますか?
京都の小さな弁当屋で繰り広げられる連作短編集です。
問題に解答を提示するのではなく、人に共感を示すような雰囲気が心地良いです。
店主である花柚さんの弁当は繊細で華やかなのだろうなと、文章から伝わってくるのも魅力です。
読後は、作中でも説明される七十二候の季節を意識したくなりました。
神様の定食屋 ★
- 神様の定食屋
- 著者:中村颯希 / 出版社:双葉社
両親を事故で失った高坂哲史は、妹とともに定食屋「てしをや」を継ぐことに。ところが料理ができない哲史は、妹に罵られてばかり。ふと立ち寄った神社で、「いっそ誰かに体を乗っ取ってもらって、料理を教えてほしい」と愚痴をこぼしたところ、なんと神様が現れて、魂を憑依させられてしまった。
料理には誰かの想いがこもっていることを実感する、読んで心が温まる一冊。
兄妹が切り盛りする定食屋を舞台とした連作短編集です。
神様によって未練のある幽霊の魂を憑依させられる哲史は、その魂の思い出の料理を作って、それを食べるべき人に振る舞っていきます。
要は生者と死者を繋ぐ役目を果たすわけで、やはり泣けるシーンは多いです。
凝った豪華な料理ではなく、シンプルで美味しそうな料理ばかりなのも魅力的でした。
海外小説
ハリー・ポッターと賢者の石 ★
- ハリー・ポッターと賢者の石
- 著者:J.K.ローリング / 出版社:Pottermore Publishing
ロンドン郊外の、どこにでもありそうな平凡な街角、ある晩不思議なことがおこる。そして額に稲妻形の傷跡を持つ赤ん坊が、一軒の家の前にそっと置かれる。この家の平凡なマグルのおじ、おばに育てられ、同い年のいとこにいじめられながら、その子、ハリー・ポッターは何も知らずに11歳の誕生日を迎える。突然その誕生日に手紙が届く。魔法学校への入学許可証だった。キングズ・クロス駅の9と3/4番線から魔法学校行きの汽車が出る。
ハリーを待ち受けていたのは、夢と、冒険、友情、そして自分の生い立ちをめぐるミステリー。ハリーはなぜ魔法界で知らぬものが無いほど有名なのか? 額の傷跡は? 自分でも気づかなかった魔法の力が次々と引き出されてゆく。そして邪悪な魔法使いヴォルデモートとの運命の対決。
ハリー・ポッターが無料で読めるなんて良い時代だなあとしみじみ思う私です。
言わずと知れた名作ファンタジーシリーズの第1作。
シリーズものですが、この作品だけでも完成されていると思います。
映画だけは見たことがあるという方なら、原作には知らないシーンなどもあって、新鮮な気分で楽しめるはずです。
星の王子さま
- 星の王子さま
- 著者:サン・テグジュペリ / 出版社:KADOKAWA
砂漠のまっただ中に不時着した飛行士の前に現れた不思議な金髪の少年。少年の話から、彼の存在の神秘が次第に明らかに……生きる意味を問いかける永遠の名作、斬新な新訳で登場。
こちらも世界中で読まれている名作です。
個人的には「つまりどういうこと?」と考えてしまう、難しい本だと思っています。
人によって、読むタイミングによっても受け止め方が変わると思うので、読んだことがあってもなくても、新たな発見があるかもしれません。
まとめ
Kindle Unlimitedで対象作品になったことのある、おすすめの小説を紹介しました。
一度加入すると何冊でも読み放題なので、普段は読まないジャンルの本でも手に取ってみやすいと思います。加入中の方は、これを機に新規ジャンルの開拓をしてみるのも楽しいかもしれません。
ちなみに個人的には、売れていそうな作品ほど入れ替わりが早いと感じています。もしそういう対象作品を見つけたら、早めにダウンロードしておくことをおすすめします。