はじめに
ミステリー小説などを読んでいると、たまに別の有名作品に触れているシーンが出てきます。挙げられるのは、アガサ・クリスティやヴァン・ダインなど、海外の古典作品が多い印象です。
その時に、概要を紹介される程度ならまだしも、その作品のネタバレとなってしまいかねない情報まで提示されることがあります。
ミステリー好きなら既に知っている人が多い作品についての情報だったとしても、例えばまだあまりミステリー小説を読んでいなかった人が、これから読もうと思っていた作品のネタバレを見てしまうことになったら悲しいですよね。
この記事では、そんなリスクを避けたい場合は早めに読んでおいた方が良いアガサ・クリスティの小説を4作品紹介します。
いずれの作品も非常に有名なので、ネタバレになりかねない情報どころか、場合によっては犯人やトリックなどを知ってしまう可能性もあります。ネット上での検索もあまり行わない方が良いでしょう。
そして、有名なだけあってやはり面白い作品ばかりです。そういう意味でも、早めに読んでおくことをおすすめします。
紹介作品4選
1. そして誰もいなくなった
…そして誰もいなくなった、という展開のノンシリーズ作品です。
クローズド・サークル及び見立て殺人の代表的作品でもあります。
今となってはド定番の状況設定ですが、だからこそワクワクしますね。
あまりにも有名なために、オマージュ作品も数多く存在しています。
中でも評価の高い作品が『十角館の殺人』です。新本格ブームを巻き起こした人気シリーズの1作目になります。
これについて、著者の綾辻さんが以下のポストを投稿しています。
ネタバレをしていると言われている箇所について、著者としてはセーフという判断をしているものの、ネタバレの基準などは人それぞれなので…とのこと。
ここで紹介する4作品全て、多少のネタバレで面白さが損なわれるものではありませんが、ネタバレを気にするのであればこれは真っ先に読んだ方が良いと思います。
2. アクロイド殺し
1926年に刊行された、ポアロシリーズの3作目です。
『そして誰もいなくなった』に比べるとあらすじが地味なので、興味をそそられないかもしれません。
ただこれに関しては、一切の情報を見聞きすることなく読むべき作品だと思うので、踏み込んだ説明ができないのです。今更ですが、あらすじも特に読む必要はありません。間違ってもWikipediaのページを開かないように注意してください。
3. オリエント急行の殺人
ポアロシリーズ8作目の、クローズド・サークル作品です。
オリエント急行は雪で立ち往生しているので、犯人は逃げ出せません。
逆に言うと、乗客全員が容疑者という状況になります。
一人一人に事情聴取を行い、その情報を組み立てて、結論に達する…。シンプルな構成ですが、だからこそ結末が輝くのではないかと感じます。
4. ABC殺人事件
ポアロシリーズの11作目です。
友人のヘイスティングズも登場します。
被害者たちの共通点が見つからないというミッシングリンクをテーマとしていて、次に誰が狙われるのかわからないといったポアロたちの焦燥が、物語にスピード感を持たせています。
このスリリングな雰囲気が魅力だと思います。
余談ですが、私はこの作品を読む前にネタバレを見ていました。
『名探偵コナン』39巻の「赤馬事件」です。ここでは結構なネタバレがされているので、今後読む人は要注意です。私の場合、小説を読む時にはその話を忘れていたので事なきを得ましたが。
ついでに言うと、劇場版の『名探偵コナン 14番目の標的』もABC殺人事件の要素を感じます。劇中でコナンが『ナイル殺人事件』を思い出すシーンもありましたね。こちらはネタバレ的には問題ないと思うのでご安心を。
まとめ
早めに読んでおいた方が良いアガサ・クリスティの小説を4作品紹介しました。
繰り返しになりますが、どれも多少のネタバレで面白さが損なわれる作品ではありません。それでも、何も知らない状態で読んだ時の衝撃、興奮、感動…そういうものはネタバレによって失われてしまう可能性があります。
特にミステリー小説を色々と読んでいる状況だと、いつどこでうっかりネタバレを見聞きしてしまうかわかりません。もし少しでも興味を持って読んでみたいと思っているのなら、一刻も早く本屋さんに走ってください。